『大変な失態を犯してしまいました。
誠に申し訳ございません。せっかく、貴方が助けに来てくださったのに』
[細い声は、枯れて震えて聞こえる]
『幸い、小官がいなくても時代の流れが止まらぬ程度に研究内容の書き置きは残しております。
帝国と貴重な兵の為、独りでも多く故郷に帰られる為の最善と信じる判断を。小官は、兵器を取り扱う仕事に就いてからずっと覚悟はできています
そう、准将にはお伝えください』
[ノトカー以外にも聞こえているとは知らず、そう述べ――また、沙が混じり、音は聞こえなくなった]
[だが、通信が切れる最後に聞こえた雑音は――
どう考えても空腹でお腹が鳴っている音だった]