―― 一年後の練武場にて―― ……知っていて、なお、俺に立ち向かうのだから。 いい度胸だ――…。[そう呟き、口の端を僅かに上げる。あれから、一年。怪我が完治してからは、ただ観察するだけでなく、練武場に自ら立つことも多くなった。最も多く相手をしたのが、このフレデリカであろう。彼女自身を鍛える為にも。また、自らの技を盗ませる為にも。ここで共に過ごした時間が、彼女の中に確かに育まれていた。]