[その時の直感に従って、
ソマリは時々練武場に向かうようになった。
ただし彼は練武場基準で考えると、不真面目な男だった。
カレルのように鍛錬をしに行ったのではない。
リエヴルのように組み手を観察していたのでもない。
彼が見ていたのは、ディークの行動――そのものだった。
教師や先輩への態度。
同級生への態度。
後輩への態度。
視野が広く、周りを気遣う力に長けた度量の広さ。
後輩からの信頼も厚く、面倒見の良さはずば抜けている。
天才という呼称は彼には似合わないだろう。
けれど間違いなく、卓越した能力の持ち主だった。
技量面だけでなく、精神面においても]