[氷華が従華たる娘に何を為したか、その予想はおぼろげながらついている。>>*56だから、柊の護花が花神の言葉にも、浮かべた笑みにも反応しなかったことは、不思議とは思わなかった。そも反応を引き出そうとしてのことでもない]まこと寒々しい…[螺旋を描いて凍った地面の上を滑り、護花へと視線を向けながら、花神は何度目かの吐息を零す]リーン…[蓮鈴は鳴り続け、それに応じるように、凍りつきつつある水面が揺れる。氷塊を溶かした陽光と同じ光がちらちらと、氷の下にも揺れているのに、護花は気付いたか?]