[左腕に返る手応え>>*61。
下がられ深くは入らなかったそれに舌打ちしつつも、追撃の手は止めず。
槍を流し切った右の鉤爪を掬い上げるように動かし、相手の左下から右上へと薙いだ。
同時、ヤコブから気合と共に吐き出された鋭い声が上がる]
ッぐ……!
[掬い上げの動きにより開いた右脇を槍の柄が襲った。
強かに打ち据えられ、堪えきれずに右足が地面から浮く。
そのまま横転した身体は受身の形を取るものの、脚に蓄積した衝撃は跳ね起きる力を奪っていた。
両腕も使って起き上がり、低い体勢のままにヤコブへと向き直る]