っく、[避けた服の隙間から、紅が一筋、垂れて大地を汚す。迂闊であった。雷獣は個別の意志を持つわけでは無く、基本的には召喚主がその意識で操作しているのみである。意識の隙間が生まれれば、当然のように動きが鈍る。剣を打ち合いながら同時に雷獣を駆けさせているのは、ひとえに男自身の参謀としての経験に依ったものである。更に。雷獣が負った傷は、最終的に男自身へと返る。]