[>>298アデルが見張っている入口を避け、窓辺からシェットラントの寝室を伺い見る。手をかけると硝子窓は音もなく開き、厚手のカーテンと紅い髪が、夜風に揺れた] ……案外、不用心なのだね[口の端で笑いながら、室内へと降り立つ。おそらく今頃は仲間がローゼンハイムの寝室へも同じように侵入を果たしている頃だろう] ――さぁ、これで君は、我らのモノだ[今日の議論で疲れ果て、眠っているシェットラントの首元に口を近づける。そして――]