『玲桜の燭』、か。暇人め。いったいどれ程の力を与えたら人間の女子《おなご》にこンだけの破壊力が出せるっつーのか。[ぷらぷらと左手を振る。骨が砕けた訳では無いが、確かに芯に痺れが残る。速度と重力の乗った衝撃《インパクト》で、布が弾け、陣羽織と軍服の下、左肩の素肌が露出している。]こいつは困った、[その、肌の更に下。]愉しくなっちまう。[亀裂のように罅割れた隙間から、僅かに覗く緋色の鱗のようなものに、対峙する従華は気付いたかどうか。]