[一年前のあの頃から、彼から感じるもの。
みじかいとはいえ、すくないはいえない時間、彼を見ながら学ぶもの、感じ取ったものは多い。
その気高さは貴族として、あるべきものを感じる。
時に厳格で、時に慈愛に満ちた、その風格は人を率いるものとはこういう人なのだと思わせるもの。
自分には、何一つないであろうもの、生まれの違いとも言えるのかもしれない。
突き降ろされる剣に対して、もう片方の木剣は応じる為にときちんと残されている。隙がない]
たのしい…とっても……
[思わずこぼれる笑みを抑えずに、床すれすれにまで倒れこんでおり、リエヴルの動きを注視しながら体勢は反転するように、
左腕から床へと、受身を取るようにし、そのまま剣先の軌道から逃れると軽く払うように振るう木剣。
その軌道の根元、彼の握り手の指を狙うようにして、彼の速度のままをその剣先を通じて返そうとする]