そういうアデルも器用ではないか![蹴撃は、さきの拳とは違う感触に阻まれるように防がれる。雷の推進力を受けた勢いで放った蹴りにより、引き戻す動作が遅れる伸びてくる蔦に、先ほど足に残った感触の正体はこれであったと悟る。だがやはり回避に意味を見出せないのがこの男。伸びる蔦の根元をみれば、相手の懐に飛び込むチャンスではないか。ならばそこに、自分がまだ伝えてない意志を告げるのが一番ではないか。]