[直後、女性の目には少女の姿が消えたように見えただろう。相手の知覚の外に出ることができる、その力の発動は一瞬で済む。そうして持続する時間は長くないから、素早くことを済ませなければならない。背負っていた武器を右手に持って、女性の右手側から背後に回る。消えたように見えた少女が次に気配と姿を現すのは、女性の真後ろ。言葉の続きは紡がれない。ただ、月夜の下静かに光る刃を横一線に振り抜こうとする*]