俺達はバナナの皮を侮っていた。それは踏めばすぐ消滅するような貧弱で矮小な存在だと。けれどいつしか立場は逆転した。消しても消しても無限に沸いてくる。その勢力は増し続け、とうとう処理がおいつかなくなる。人も街も全て奴らに飲み込まれてしまった。そろそろこの記事を描き上げてしまおう。液晶が音をたてている。何かつるつるした膨大なものが体をぶつけているかのような音を。しかし液晶を押し破ったところでわたしを見つけられはしない。いや、そんな! あの皮は何だ! 窓に! 窓に!