それでも、自分は生きている。 消えない傷跡だけ腹に残して。 お気の毒ですが、もう子供はできません、結婚して、子供を生んで、再興は望めませんね。役立たず。 どうも生物学でも終わってしまったらしい。 親戚と名乗るひとが焼けカスすらも持ち去ってしまった。 怒りも憎しみもなく、ただただ悲しくて、悲しくて。 こみ上げる泉の栓をしようと、燕の野に出かけた。