[滑り抜けようとする花神のひと足後、その軌跡を容赦なく砕き散らせながら、氷の矢が穿っていく]…っ![氷の一つが花神の衣の袖を掠めて切り裂き、白い腕に一筋の氷結の痕を残す。そこから広がり花神の身をも凍らせようとするかのような凍気に、僅か動きが緩めば、足元にも別の矢が刺さり、次は避け切れぬかと判じた花神は、円環を描いていた軌道を変えた。選んだのは円環ではなく、螺旋、回転する動きを内側にずらし、放たれた氷の源、柊の護花へと近付く軌道*]