[腕を捕らえた布がそのまま離れていく。>>*48あの動きを会得できたなら、柔らかい方の鞭も操れるだろうか。そんな羨望を一瞬覚えるほどの熟達した動きだ。地面に鮮やかな赤が転がる。空気がちりつくように熱い。実際の温度だけではない。大きな術の力が高まっている気配だ。それは相手だけではなく ―――] 私たちは、為すとも。[左手で水の柱に触れながら、右手を大きく空へと振る。液化した天命石が高く散った。*]