[ザ、と槍の穂が走ったのは左の二の腕。
往なすを目的として接近の軌道を相手の左側へと寄せていたためだ]
っ 、 せいっ!!
[左腕から紅を散らしながら、倒れゆく身体を強引に反転させる。
仰向けの状態へと移行する傍ら、ヤコブ側へと移り行く右腕を外へと開くように動かし鉤爪を走らせる。
狙いなどない一閃、追撃を減らす一助になれば良い程度のもの。
屋根へと背が落ちるまでの間に尾がくねりと動いた。
身体が屋根へと落ちると同時、波打つ刃と化した影が三本競り上がり、連撃の如くヤコブへと襲い掛かる。
打ち据えれば影の中に戻るが、刃には攻撃力も備わっているもの。
起き上がるまでの時間稼ぎにはなるか**]