俺はヨセフに、帰ってきたら、お前と一緒に手料理を振る舞うって約束したからな。間に合うように戻ってこいよ?それと...
[ 懐に忍ばせていた小さなクリスタルを取り出して、ディークの手に渡す。忠実な従者が、砦から持ち出していた姉の手紙の中に入っていたクリスタルだ ]
姉上から伝言だ...石に咲く花は無かったけれど、石の中に花を咲かせることは出来た...お前のおかげだと。
[ 耳元に声を寄せて囁いた言葉の通り、クリスタルの中に封じられていた押し花は、闇色の空から零れる月の光を浴び、柔らかな花弁を開いた、生花さながらの姿で淡く輝いている ]