[口ぶりから、この飲み物に彼が親しんでいたことが知れる。……どこの、どの辺りだったか…――] ………酒、かな。美味い。 飲みすぎると腹壊すの? [見上げた彼の前髪が僅かに乱れていて。手を伸ばしてそれをもう少しだけ、かき混ぜる。答え難い問いに、選ばれた言葉。気遣わしげな声が返る] ――…入隊できるもんなら、したいけど。 認められなきゃ、……帰るしかない、かな。[猶予がない事を、改めて実感する。止めていた時間が動くまで。……或いは、流れていた時間が止まるまで*]