うぉっとっと。
[足甲のCの文字をわずかに光らせて、でかい音を立てずに、静かに着地をして、落下した先の者のほうに体を向けなおす]
なぁ、俺が思うに、へこたれた試合ができないのは、別の理由も多少はないか?
[落下したヴィンセントに呼びかける。わずかに視線を向けるのは、各々の竜が戦う方角であるが、すぐに視線を戻す。]
ま、戯言だ。
[どうなろうが、自分の相棒を言い訳にするわけにもいかないしな。]
ただ、強い思いというのは力を生むものなんだろうな。
[僅かににじむように流れる腕の血を指でぞんざいに払うように触れた後、むんっと力を込めて筋肉が膨れ上がる。
それは傍から見れば、怪異という呼び名をまざまざと見せつけるように、受けた傷口が新たな肌で埋められるようにして治ったようにすら見えただろうか。]