退屈を忘れられる機会はそう多くないからな。
[ いつも全力、と言われれば、当然だろう、と言わぬばかりに言い放つ ]
...に、しても、親父だの師匠だの、随分と大事に育てられた...ああ、由緒正しい?子犬らしいな、お前は。
[ そうして、犬という語が、ディークの神経を逆撫でしたらしいと知れば、くつりと嗤って、わざわざそんな言葉を重ねる。
その間にも、足元を狙って放たれた蒼糸は、炎纏う刀で地面を薙ぐようにして振り払った。
刃と炎を搔い潜った糸が、いくらかの傷を男の両手両足に残して行くが、総じて浅い ]