[ごしごし、と裾で額を拭われ、ぱちぱちと目を瞬いた。子供みたいだ。促されるままに腰かけ、阿呆みたいに彼を眺める。傍らの温もりがもそりと身じろいだ。白い毛皮が、暗闇にぼんやりと光っている。待っていろ、と言った彼が、瓶とカップを手にして戻ってきた。渡されたコップはひんやりと冷たく、注がれる液体は、白く濁っていた。くんくん、と匂いを嗅いで、口に含んでみる。爽やかな酸味が口内に拡がり、思ったより飲みやすい]