[ 天幕の外では、大勢がせわしなく動き回る気配がある。 爪のある足が草を踏むザクザクという音。 金属同士が触れ合うカチャカチャという音。 その中で、この天幕の中だけが切り離されたように、 静かで。 魔法の狐火を灯されたランプが、ちらちらと影を踊った。 ] リッド。[ 一度だけ少しかすれた声で、 テオドールは寝言を言った。 だが、それを確認する前に、天蓋の外から魔王を呼ぶ声がした。 ]