[揶揄いに混ぜたものを拾い上げ、息を吐く。肩に入っていた力が、ゆるりと抜けていくのを感じた。声に、腹に、芯が入り始める。反射のように、口を開いて] ……ちょっとしどけなすぎて、抗えなかったね。 [身を起こす彼の動きに合わせ、腕を引いた。心細さの尻尾がくるりと丸まって、視界の端のほうへと逃げてゆく]