[だからこそ、その瞬間に浮かんだのは、笑みだった。
蛇竜が呼び出した水を纏った時は、このまま護りに徹するか、とも思ったが。
その予想に反して、内で力を溜めていたのだと──弾けた水の繭から飛び出してきた姿>>*27から、それが悟れた時、自然と浮かんだのは嬉し気な笑みで]
……そのぐらい、やってくれんと、なっ!
[口調だけは軽く紡ぎつつ、呼吸を整える。
術や矢を放っている暇はない、なればどうするか。
懐に飛び込まれるならば、こちらも相応、『奥の手』を出すのみとばかりに右手を高く掲げ。
跳ね上がる動きと共に振るわれる鉤爪に相対するように振り下ろす。
その手は人ならざるもの──鋭き爪を備えた竜のそれ。 ──14(20x1)**]