十分過ぎるほど生き急いでるか。
付き合ってやるよ、小僧。
[呆れたような物言いに、けれど語調は楽しげで。
振り下ろされる、得物を持つ右手を狙った一刃。男は、地に鎚頭を降ろすとそれを軸にくるりと半回転して、半分以上肉も骨も削げた
スパン。
残った骨肉を断つ感触は、水刃を握るその手に届いたか。
小気味いい音で男の左腕が飛ぶ。
ついで、回転の勢いで太い尾を使い少年の足元を足止め程度に払った。
放物線を描いて落ちる左腕を、つま先で蹴り上げ口でキャッチする。]
ありがとな、
[切れた腕の纏う軍服の端を咥えたまま、にやりと笑い戦鎚を横に薙いだ。狙うはその胴。*]