[ これまでの、彼の動きを見ていれば、予測のついた攻撃のはずだった。それ故に、彼女がまともに鉤爪を受けた事に、銀の瞳が僅かに揺らぐ。>>*32しかし、刃と化した翼の動きは止まることなく、シュテラの喉元に迫る ]ぐうっ…![ 痛みに耐えた彼女のナイフが、剥き出しになった皮膜に突き立てられたのは、ほぼ同時か。地に埋まった翼は、避ける事も出来ず貫かれ、始めて苦痛の呻きが、彼の喉から漏れる。避けた皮膜から、ぼたぼたとこぼれ落ちた朱がシュテラの腕と身体をも濡らしたろう ]