そ、の、足癖の悪さも...親父譲りか?[ 狼の脚は、人のそれより素早く危険だ。男は、その動きを牽制するように眼前で刀を横薙ぎに揮う。空気を裂くように振り抜かれた刀は、ごう、と一瞬渦巻くような熱風に包まれて、忽ち燃え上がる炎を纏った ]全く、こんなに早くこれを使う事になるとはな。[ 脚と右手は完治している、が、最後に狼の爪を喰らった右肩からは、まだ血を流したまま、燃え上がる刀を青眼に構え、男は歯を剥き出して笑った ]来い、犬ころの、くそ餓鬼。