[蓮魔が、護花を中心に円を描いて移動すれば、無数の紅い蓮花>>*24が宙に浮かぶ。 雪原上に水走らせ滑る蓮魔は目で終えるが、穂先を下に斜めに構えた侭身動ぎせず。 群がる夏の紅蓮花は、冬を上書きせんとばかりに空間を掌握せんとしていた。 蓮鈴の音は四方より聞こえるように反響す。] 永遠に続く火は無く、 陽が地平に落ちるよう何時かは熱失い、 花が枯れゆき、冬の寒さに凍り付くもまた世の摂理。[蓮魔が滑った後の水は飛沫も凍りついてゆく。]