「勝てなかった」と「敗北」は別物だ。
対ウルケルの利は、ウルケルが「勝った」と自覚するだけで達成できるものだ。
公的に認める必要はない。
逆に、認めることで「敗北」を歴史に刻まれた帝国臣民には傷が残る。
その代償は永続的だ。
また、植民地の独立の気運をあえて誘い、戦争を起こす必要を俺は感じない。
軽率な連中は武力蜂起する前に潰す。
俺は、世界の海をひとつにするためにウルケルに戦争も辞さず挑んだ。
だが、国内の害毒を洗い流すために戦争をしたいとは思っていない。
俺たちの望んだ未来は──もっと輝かしい。
違うか?