[尾の一撃は届いたものの、直接身体がぶつかる感覚はない。
ヴィンセントを取り巻く風が彼を守っているよう。
光の矢と風の壁、風の刃を組み合わせての攻防に無駄は無い]
────?
[その無駄なき攻撃に、不可解なものが混じった。
放たれた矢はメルヒオルを逸れ、周囲への床面へと突き刺さる>>*23。
それに意識を留め続けることは出来なかった。
相次いで放たれた風の刃の気配に、メルヒオルもまた翼を羽ばたかせ宙を舞う。
放たれた風の刃をスレスレに躱し、床に突き刺さっていたランスを飛翔しながら掴みあげた。
追い縋るように飛翔する先には、先刻宙へと舞ったヴィンセント]