[撹乱は功を奏し、振るった鉤爪はヤコブに届くに至る>>*23。
けれどその手応えは浅い]
おろ、
[抜けた声を零しながら、足は止めず今度は跳躍の軌道を上へと変えた。
その直後だ、ヤコブの身体が急速に迫ってきたのは]
おお!?
[しゃがんでの跳躍にしては初速が速い。
屋根が撓ったとまでは気付けなかったが、ヤコブが能力を駆使して迫っていることだけは理解した。
振り上げられる槍に対し、両腕の鉤爪を打ち合わせんと振り下ろす。
金属同士がぶつかる瞬間、鉤爪の先──相手の槍との間でバチン!と破裂するような音と衝撃が巻き起こった。
その衝撃でノトカーの身体が足場にしていた影の間を抜けるように吹き飛んでいく]