[素知らぬフリをするべきか、それとも自分が誰なのか伝えるべきか。
幸い、今のセルウィンは元の年齢より随分と若返っている。
声だけならば、声変わり前のそれからは、宮田にも自分が夜霧 静寂だという確信は持てまい。
……とはいえ、喋り方や声音の微妙なニュアンスばかりは誤魔化しきれない。
それに、若返ったとはいえ、見た目はやはり夜霧 静寂に他ならない。
はぁ、と本日何度目になるのかわからないため息を溢した]
君は宮田くんでしょう。
まさか、貴方もこの試練に挑んでいようとは。
[狭い村だから、知り合いに遭遇する可能性もあるとは理解しているつもりだった。
……それが彼というのが、セルウィンにとって意外だっただけで]