[大切なのだと言う彼女>>*23に笑みを向けて、慈しむ様に一度撫でた後、唇が同種の感触を捉えた。焦点の合わない視界でも、彼女の頬に朱が滲んだことだけは分かる][こちらを掴む掌に呼応する様に、腰に回した腕へと力を込めた][彼女の時を進めたのは長い針が丁度一歩出遅れた頃。再び深緑の瞳に焦点が合うまで引いた双眸は、腕の中の彼女を確りと捉え、僅かに上がった吐息と共に穏やかな色を宿す]