― 1年前・西寮 ―あっ、ソマリ。ちょうどいい所に。[談話室でもくもくと作業していた男は、近くを通り過ぎたソマリを呼び止めた]今、新入生の歓迎会に使う飾りを作ってるんだけどさ手伝ってくれないか?[テーブルの上には、リボンで作った花が置かれている。普通なら副寮長のディークに手伝わせるところだが、生憎捕まえられなかったのだ。そこにソマリが通りかかったのは渡りに船。いや、むしろ手伝わせるのは口実で、目の前に座らせたかったのだ]