なんと。 シメオン殿が、告死の宣を遂行できぬとは。[続く言葉>>*21には、僅かな驚きをもって返す。 影翼の天使が齎すは、確実なる死救い。 人の身でそれを覆すとは、思いも寄らぬことであった] 只人でないことは、確実なようだな。 ――フン。私が油断するなどありえんが、しかし彼の者は注視しておくこととしよう。[やや素直でないながらもそう受け止めるのは、シメオンの告死あんさつの力の確かさは、重々認めているからであった*]