[氷柱に質量を削られた水刃は、護花の身に到達する前にあっさりと凍り付き、真っ二つに断ち割られて凍り付いた床に、キン、と冷たい音をたてて落ちた>>*19]
おや、挨拶以外も出来るのだね、お人形さん。
[その結果は予想済みとばかりに、花神が笑みを浮かべるのは、真の余裕か、或いはただの強がりに過ぎぬだろうか]
まるで私の力を知っているかのような口ぶりだが…
[するりと、その身は横へと滑る。氷の上に水の軌跡、冬に支配されようとする空間の内、その軌跡さえ忽ちに白く凍り付いていくが、花神の操る水も尽きることなくその足元を濡らす。
氷の上に流れる水は、地面の上より抵抗少なく遥かに速く花神の身を奔らせ、護花の周囲に描こうとするは円の軌道]