― 実技試験前日の西寮 ―
…………うぉぃ。
[怪我をしているのだろうと推測していたので、それほど力は入れず、ただ軽く手を置いただけのつもりだったのだが。
それでこの反応>>276は、ただ事じゃない]
少しって反応じゃねぇだろ。
骨にヒビくらい逝ってんじゃね?
ちゃんと手当てしねぇと、骨が曲がったりしてマトモに右手使えなくなるかもしれねぇぞ。
[これは決して脅しではなく。
自分がまだ学生だった頃に、意地を張ってヒビが入った事を隠していた上級生が、片腕が殆ど動かなくなって退学していったという事例があったのだ]
左手一本でトールと組んで戦うのは良いが、手当てはしろ。
他に言えネェなら、やってやるから。
[武術の授業中に怪我をする者は少なくないので、医務室へ行くまでの応急手当は心得ている。
自室に茶葉を取りに行くなら、ついていって添え木と包帯での固定とをしようかと]