とっくの昔に、嗅ぎ付けられていたのさ。 以前に彼には見られてしまった事があってね。[彼が光を失ったあの日、何が起こったのか。自分だって大いに関係しているのだから。記憶を失ってはいたようだが。] パーフェクトであるこの僕に、無様な失敗などあってはいけないんだよ。 そうさ。彼の存在そのものが、この僕を否定するんだ。[曲がった信念、折れない信念。言葉がじわりと熱を帯びる。瞳に緋色が浮かぶ。]