[錫杖により叩き落とされたサーベルを、流れに任せて手首で返し、そのまま貫くを試みる。しかしそれより先に、錫杖の先から飛び出す水槍に気付くと、反射で体を捻った。] ッチ、[同時に背後から雷狼が獲物の肩口へと喰らい付き、その牙から雷電を放つ。若干逸れた槍先は、男の左目の下の皮膚を浅く切り裂き、紅を散らす。避けた、と思った。直後、ぐっと軌道を変えた槍先が、男の背後からその胴を刺し貫く。]