─ スラム街・路地 ─
[>>*5二手間で跳び上がった屋根から見下ろす私を見上げる少女の顔には、少なからず驚きがある。
それが、こちらの跳躍にか、彼女の動きへの対処の冷静さにか、どちらに対してかは分からぬものの]
跳べるだけ、ではないけれど。
[人より優れた聴覚が拾った呟きに声を返すも、>>*6彼女の動きの方が早かった。
獣に変わった腕で飛び掛かったがその跳躍を留めることは出来ず、わずかな手応えを残すのみに終わる。
追撃に出るか体勢を整えるべきか、と思いながら少女が向かった壁へと視線を向けると重力を操っているかのような軽さで跳び上がる>>*10少女の姿]