[捉えた、と思った。双牙は獲物に食らいつき、引き裂こうと顎を開く。しかし、食らいついた瞬間に、その姿が掻き消えた。>>*14] ッ、[聞える声の出所は、頭上>>*15。まるで幻のような虚像と、本体の区別はつけられない。しかし、声が出されるのであれば、話しは別だ。男は空いた左手で大地を捕え、全店するように体を反転させた。身体の前に構えた刃が、ギン、と鳴る。受ける手首に走るは衝撃。] ッ、く[刃を支えるように、峰に沿えた左の指先から、バチンと火花が生まれ、刃が帯電する。]