[お前は、目を覚ます。けれどもまだ、何も知らずにいる。] ……誰か、いるのか?[ひとつ、ふたつ。どこからともなく伝わりくる、糸のような、水のような繋がりに、お前は声を届けようとする。それは、心の別の場所で行われている。言葉を語り、騙り、交わし、躱し。いいだろう、いましばらくは、そのままで過ごすといい。その方が、有益なこともある]