国を富ませるために王国の、カーマルグの民の知恵を借りたい。
だがたとえば王国の民と従民に繋がりを作れば、反乱の契機を呼び込みかねない。
かといって市民をそちらへ振り向けることは、いきなりは無理だ。
もっと市民に近い者たち、───女たちに知識を得させて、そこから従民に広めていくのはどうかと考えている。
長老たちが聞いたら泡を吹いて倒れそうだが…。
[女が家の外で働くなど論外だと思っている連中は多い。
かくいう己も、女が家の中で何をしているかなど全く知らないのだが。]
だから、フェリクスの奥方に話を聞いて、可能ならば力を借りたいと思っている。
[これもまた、今は夢物語のような話だ。
だが孤児が元首になるよりは、簡単だろう?*]