[巫女が目の前の男を師匠と呼ぶのが聞こえた。ならば彼は、巫女が師と仰ぐほどの高名な導師なのだろうか。二人の関係に興味がわいたが、そこに意識を割く余裕はない。柔らかな鞭状に変化した布が背後を狙う。受けることは難しいとみて、馬を前へ進ませながら伏せた。十分躱せるだろう、という判断を飛び越えて、背後から熱と衝撃が襲う。]