[マシュマロに足跡すら付けずに幻の狼はお菓子の家の周囲をくるくる回る。回るうちに綿飴が霧のように視界を塞いで、ぐるると喉を鳴らした。それでも近付く事も遠ざかる事もせず。誰かの気配を感じると僅かに鼻先を向けた]