[視界の先では天に向け矢を放つヴィンセントの姿。次は上からか、と予測は出来たものの、その数までは予測の範囲外だった]───── ![一矢だったはずの光が上空で枝分かれし、無数の小さな矢となって降り注いでくる。避け切れない数多の矢に対し、咄嗟に行ったのは体表の変化。メキメキと音を立て、怪馬の肌も含め、メルヒオルの肌が鱗状に変化して行く。風に靡いていた尾も太く長い、肉付きのいいものへと変化し、ぶん、と一度空を切った]