― 回想:西寮 自室 ―[ 普段は騒がしい寮の夜も、試験中は静かだ。毛布にくるまっていたものの眠れず、何度も寝返りを打っては薄目を開けていたがふと、二段ベッドの上に寝ているミヒャエルが起きている気配を見せたため、思い切って声をかけてみた。 ]…ぉーぃ。起きてるー?[ ノトカーが下なのは、当然寝相が悪いせいである。ミヒャエルの返事は聞こえたかどうか。とりあえず起きているようなので、小声で話し続けた。 ]