― 少し先の未来・旅の途中 ―[>>326不自然に破れたジャケットを羽織った男が、苦虫を噛み潰したような仏頂面で、森の中を歩いていた。その後ろから赤頭巾の良く似合う少年が、ぴょこぴょこと一生懸命声をかけている。その愛らしい様子は、まさに妖精を想起させられたけれど――…>>327背中に乗って、首筋に牙を突き立てるその行動は、まさしく正しく小悪魔だった。足を止めた男が、鬼の形相で振り返る] 言いたい事はそれだけか……?