[その瞬間、紅い澱がゆっくりと揺れる。声のない遠吠えが、第二の意識を覚醒させた] 群れ、…そう、そうかもしれない。 獲物……? 何か、あったのか。["ロー"どころか、名で呼ばれた記憶さえない同胞には警戒というよりも軽蔑されているのだろうと、思っていたけれど。彼もまた、先へ進む為の「何か」を見つけたのだろう。わざと楽しげな意識を搔きたてているけれどその言葉のひとつひとつに、怨恨を感じ取る]