[リヒャルトが自分に背を向ける気が無いのならば、入口付近からずっと、洞穴の奥の気配を感じるのみとなるだろう。今日もまた、新たにカスパルが増えた洞穴、日に日に、自分はこの奥へ入れなくなっていく。入っては、いけない気になっていくのだ。それはリヒャルトも同じだったか――>>*11心境を察して、瞼を伏せる] 思ったよ、とてもね。 今日目覚めさせなければ、明日チャンスはない、 そう思っていたし、それに――…